面倒くさい彼

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「メールの返信来たんだね。どうだった?」  彼が顔を覗き込むように言う。 「みんなで行きたいって」 「そうかあ。僕、ちょっとコンビニに行って来てもいい?」  コンビニはここから歩いて5分くらいだ。約束は2時なのでゆっくり時間がある。 「いいよー。でも何で?」 「カンナちゃんに新年の挨拶を買って来るんだ」  ズッ、友達同士でそんなに気を使わなくてもいいのに!まあ、いいか。そんなところも利点かもしれない。今は救いが無いが将来的には有望か。お母さんがクスリと笑う。 「お昼はみんなお雑煮でいい?」 「はい、あっ、お母さん、コンビニで何か要ります?」 「そうですねえ、じゃあ、お金渡しますから、何かデザートを買って来て貰いましょうか」  彼はキリリとして元気よく返事をした。 「了解です」  美和は「アイス買ってきて。あっ、出来ればポテトチップスも、それにお煎餅も食べたい。全部は無理かー。いくら持って行くの?買えるだけ買ってきて」とお願いをした。 「ちょっと何言ってるか分かんない」 「はあ?」 「アハハ、一緒に行こうよ」  何!?今ギャグを言ったつもりなの?サンドウィッチマンのパクリ?全然面白くないんだけど。 「よいしょっ」  それでも美和は重い腰をあげる。仕方ない。デザートは食べたい。  外に出ると何時も車がバンバン走っている通りがやけに静かだった。ここは都内。みんな帰省しているか、家でのんびりと過ごしているのだろう。たわいない話をしながら近所のコンビニに向かう。今日は風が強い。彼は赤いマフラーを大事そうに何回も首に掛け直す。
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