弐、記憶

5/5
前へ
/34ページ
次へ
それに納得がいかなかったのは階段から落ちた女子。 陰ではずっとコハルのせいだと言い続けていた。 その度に俺たちが「コハルは何もしていない」と反論したのだが、今度はコハルが持っている市松人形のせいだと言う事になった。 動く市松人形── それから、いつの間にかそういう事になっていた。 「コハルちゃんのあの人形って、一人で勝手に動くんだって」 それに尾ひれがつく。 「コハルちゃんのあの人形って、喋るんだって」 ──恐怖の市松人形 そういう事になっていた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加