参、ハルカとコハル

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*** 晴香(はるか)はコハルを嫌っていた。 5年生の時、同じクラスになりコハルへの悪口は始まった。 表情の変わらないコハル。 あまり喋らないコハル。 クラスに馴染まないコハル。 特別だから、って何でも許されるコハル。 気持ち悪い市松人形を大事そうに持って来るコハル。 そんなコハルを守るように側にいる桐也(きりや)。 桐也くんは元気で明るくて、足も早くて格好いいのに、何でコハルばっかりなの──と晴香は思っていた。 コハルに桐也くんは相応しくない。そう常々晴香は感じ、想いはどんどん膨らんだ。
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