参、ハルカとコハル

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晴香の友達の一人が言う。 「階段から落ちたのって、市松人形のせいじゃないの?あれ動くんでしょ?晴香が見たって言う『白い手』ってさ、人形の手じゃ?──」 「「キャーーー」」 聞いていた周りの子が絶叫した。恐怖で皆がぞわりと震える。 「晴香ちゃん人形に突き落とされたって事?」 「やっぱりコハルちゃんのせいだ」 「コハルちゃんの人形だ」 そういう事になった。晴香は『呪いの市松人形』の呪いを受けたと言う事に。 晴香の憎悪の対象はコハルから、コハルと市松人形になった。コハルも憎い。市松人形も許さない。 憎悪が膨らむ。 悪口は止まらない。 晴香の心に溜まった闇が外へ溢れた。
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