5人が本棚に入れています
本棚に追加
【桔梗一族】の興りは、平安の御代、末法時代に遡る。
当時、この村では疫病が蔓延していたと伝わる。村には医者もいない。薬もない。病に掛かれば死を待つだけ。
助からなかった命の残骸は彼方此方に散乱、腐敗している状態であった。
そんな惨憺たる様を目の当たりにしたのは、京から来たという【滝口】という五人。
五人は力を使い果たすまで疫病への祭祀に取り組み、五十日の後に疫病がこの村から消えたという。
村人は五人に感謝し村の名を【滝口村】とした。村人だけでなく野山に棲む動物たちも感謝した。
そして五人はいつからか【桔梗一族】と呼ばれるようになったと、そう伝わっている。
その五人の末裔があの特別な五家であった。
最初のコメントを投稿しよう!