弐、記憶

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口撃開始からひと月後、ついに事件は起きた。 陰口を言っていた中のリーダー格だった女子が学校の階段から落ちたのだ。 落ちた女子は「コハルが押した。絶対コハルの手だった」という。 それに対してコハルは何も言わない。やったとも、やってないとも。 だが、コハルは何もしていない。何もしていない事を証言する子は数人いた。俺もその場にいたから先生に証言した。 「コハルは何もしていない」って。 証言者がいたお蔭なのか、コハルが特別な青木家の息女だからかは分からないけど、それはその女子が勝手に落ちた事と片付けられた。
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