とある一区切りの決着方法

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とある一区切りの決着方法

―とある神殿内 「「叩いて被ってじゃんけんほい!!」」 「うりゃあ!!」 ブオンッ!! 「なんの!!」 ガキン!! 初老のような爺さんの攻撃を両角を生やしたおじさんが攻撃を防ぐ。 ガキン!!っという物に相応しく被っている物は兜、攻撃側はトゲトゲとしたハンマーであり、幾度もなく繰り返されたのか結構な傷が目立つ。 「はぁ…はぁ…別の世界のれっきとした決着方法と言われるだけあって、なかなか決着がつかぬな、神よ!!」 「そうじゃのう…よもやここまで続くとは思いもよらなかったわい…。」 ここまでの戦歴は神とおじさん同着の二回ずつ、残り二百回程は回避や思わず反撃等で両者共にボロボロである。 「ふはは…だが、この一回で世界は我々魔族の物だ!!」 「果たして、そうかのう?勝つか負けるかはお互いに出した時に決まるのじゃからな。」 なんとこの下らない決着方法で世界の命運がかかっているのは驚きである。 神と魔王が居る場所よりも、わりと下の方に息絶え絶えに転がっている部下や家臣にこのことを伝えることが出来たら、なんという反応…ゲフン、ゲフン。 さてさて、次の勝負で決まるようです。 「「叩いて被ってじゃんけんほい!!」」 「ぬあっ、負けた!!ええい…こういう時に兜は何処へ!!」 「ふぉふぉふぉ、さっきお主が防いだ時にすかさず蹴り飛ばしておいたぞい。さぁ、覚悟するのじゃな…魔王よ。」 「なんと卑怯な!!それでも正義だと言われている神か!?」 「太古の昔から言われているじゃが…何事も「勝てば、どういう事をしてもそれこそが正義」じゃと。」 「誰が言うかそんなものぉ!!」 ブオン!!ブオン!!という音と必死に逃げ惑う足跡が響き渡る。 因みに兜は魔王がすぐ近くにおいた瞬間に神が魔法で音もなく、くるくる~と回転させておきブオン!!という音で土俵から転落しております。 「ちぃ!!こうなったら神側の…!!」 「ふぉふぉふぉ、無事に盗れるかのう?」 「…そこ、ぶぇぁ!!」 「甘いのぉ…!?うーむ、我ながらやらかしたか。」 神側の兜を盗ろうとした魔王に神がそうはさせまいと軽く吹き飛ばす程度で振るったハンマーがクリティカルヒットを生み、魔王の頭部を粉砕してしまいました。 「不味いの…魔王が消滅してしまえば、地上も魔界の魔物も狂暴化してしまうしのう。…そうじゃ!!」 特に慌てる様子もない神は懐から板のようなものを取り出し、どこかへ連絡をする。 「うっかり、やってしもうたんじゃ~てへぺろじゃわい。」「うっかりじゃねえよ、後始末どうすんだよ?」と会話が聞こえます。 てへぺろは若い異性限定の仕草であり、会話側にも若干不機嫌さが上がっております。 「うむ…どこかでまともじゃないのを適当に提供してくれんかの?」 「そのまともじゃないのが、反旗を翻したらどうすんだ?」 「それは…その時になったら考えるわい。」 「考えなしかよ…じゃあ、こっちで制約かけて放り込むから、適当に任すわ。」 その会話が終わると同時に若い男が神の前に落ちてきました。 それにすかさず…「ほいっ!!」っと魔王の魂を若い男に取り込ませました。 ひとまず、世界の崩壊がなくなったことに神はほっと一息をつきましたとさ。
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