0人が本棚に入れています
本棚に追加
どのくらいの時間が経ったのか分からない。
夕方になっていた。まだ《バクハツ》してないようだった。
近くで女の人の声がした。
「ねぇ、君、大丈夫?すごい臭いよ。立てる?」
《ガス》を心配する人が、今もいることに驚いた。重くのしかかる口を動かして、小さな声で答えた。
「こんなところにいたら、あなたまで《マキコミ》に遭いますよ。」
眉間に少しだけシワがよったように見えた。
「だからと言ってほっとけるわけないでしょ!」
女の人が強くそう言い放つと、腕をつかまれた。そのまま無理矢理体を起こされる。ほぼ抱きかかえられるようにして駅のホームにある椅子まで運ばれた。
***
「気持ち悪い?どうしてまだ若いのに、こんなに《ガス》重度なのよ。」
「自分、今日、人を殺したんです。」
最初のコメントを投稿しよう!