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何かに促されるように勝手に口が動き出す。
「幼なじみよりも深い関係のある人がいたんですけど、一週間前に喧嘩をして、いっそのこと死ぬほど辛いことを経験してみろよって言い捨てて別れました。そしたら今日の朝、《マキコミ》で死んだと電話があったんです。」
話しながらいつの間にか、全身が震えだしていた。震えにつられるように、恐怖心が後から追ってきた。
「あなたはその人を殺していない。とても辛かったわね。」
そう言い終えた時には、止まらない震えを受け取るように抱きしめられていた。
「自分が全て悪いのに、まだ少しも謝れてなくて、もうどんなことしたって償いにはならない。《バクハツ》で今死ぬことしか残されてないんです。」
「何を考えてるの!」
痛いぐらい大きな声だった。
「あなたがここで《バクハツ》したところで、その子が悲しむだけなのよ。それだけじゃない。また《マキコミ》で死ぬ人だって出てくるわ。その子のように。それでいいの?」
一言一言が体を刺して貫通し、穴だらけになった。人に体を預けないと潰れてしまいそうだった。
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