1話

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あとを追ってくりちゃんの姿を見ると、 隣に真っ白な奴がいた。 「…きたか。何もされなかったか?」 「大丈夫だよくりちゃん。それより鶴さんは何でここにいるの?」 すると真っ白な彼はムスッとした。 「何でって…君最近倶利坊ばっか構ってるから、近侍まで外されて怒ってるんだ」 「と…さっきからうるさいんだ。」 何かごめんくりちゃん。 やたら最近鶴さんが拗ねてる。 可愛い奴め、なんていったら殺される。 「んー、じゃあ今から一緒に鍛刀行く?」 するとさっきまでの拗ねた顔が一気に消え去り目が輝く。 「いいのか⁉︎」 「ついてくるだけね?やるのはくりちゃんだからね?」 そう言うと鶴さんは飛びついてきた。 「さすが君は優しいな!」 「…おい、国永。コイツが困ってる。」 くりちゃん天使。 ありがとう神様。 「おっと、すまんな。」 パッと離して、鶴さんはくりちゃんの隣に並んで鍛刀室へ向かった。 「そういえば君、さっき倶利坊が何もされなかったかみたいなこと言ってたが大丈夫か?」 「だから大丈夫だって。じじぃに捕まっただけ。」 「へぇ…」 鶴さんは少し顔が怖かった。 それもそのはず。 これでも鶴さんはみんなより近侍をしてて、 私がじじぃをあんま好きじゃないのも知ってる。 理由は言えないけど。 「三日月かぁ…君本当に大丈夫だったのか?なんかされたら言うんだぞ」 「大丈夫だって!ただお茶入れる約束しただけだから!」 くりちゃんは呆れている。 「国永…早く済ませるぞ。急げ。」 くりちゃんの方がしっかりしてるのは何故? と思ってしまった。
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