2話

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母上様には勝てないか。 何でもお見通しのようだ。 でも、元気ならそれで良い。 少しそう安心していた。 「読んだかい?」 後ろから父上様の声が聞こえて私は振り返る。 「はい、読みましたよ。元気そうで何よりです。」 「ああ、何とか元気にしてるぜ」 父上様はニッと歯を見せて笑った。 「父上様、たまにはちゃんと帰ってあげて下さいね」 「もちろんさ。あんな奴みたいにほっときはしない。」 あんな奴… まぁそうか。 「あと、手紙のお返しも書きたいのでよろしくね」 「ほいほい」 母上様へ 相変わらず元気で安心しました。 姉様や妹は元気でしょうか? 急に父上様がいらっしゃったので少し驚きました。 母上様が言う通り、彼は未だに帰ってきません。 彼はあれから性格も変わってしまい、もしこのままでは私も他を当たるしかないのでしょうか。 私はできるなら彼の側にいたいのです。 彼は私の人生を変えてくれました。 私も彼の人生を幸せの人生へ変えたいのです。 私は大丈夫ですから心配なさらないでください。 父上様にもたまには帰るようお伝えしました。 またお会いできる日を楽しみにしています。 かがみより 「と、言うことだぜ。」 黒鶴は1人の女に手紙を渡した。 薄いピンク色の髪に紫の目。 身体中に包帯が巻かれている。 「…かがみは…私のようになって欲しくない。だから、貴方、かがみをお願いします。」 「任せろ!だが、君も無理はしないでくれよ?君が居なくなったら俺もみんなもダメになるからなぁ。」 彼女は少し涙目でこう言った。 「最初から貴方と一緒がよかった。」
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