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遅すぎたXmas
遠く離れていても、忘れず毎年Xmasにプレゼントを送ってくれる友達がいる。
毎年、可愛いカードと手紙も一緒に。
私はいつもそれを忘れてしまっていて、プレゼントが届いてやっと思い出す。
ああ、今年もそんな時期だな、と。
今も忘れず生きてくれてるんだ、と。
そして、あのアパートの屋根裏で語り合った夜を思い出す。
私たちの思い出。
私たちを生かすための時間。
生き抜くために必要だった夜。
そういえばXmasに、連絡なかったね
と、思い出したのは、ついこの間のこと。
既に年を超えていた、春の頃。
LINEは送っていた。返信がないのは不調なのかなと思っていた。ココロもカラダも病んでる私たちには、ありがちなこと。そう思っていた。
そう思っていた。
猫みたいだね。無言でいなくなるなんて。
そういえば君は、チャシャ猫を名乗っていたよね。
だからかな。ワザとなのかな。黙って消えたのはそういうことなのかな。
君はほんとに猫だったって、そういうことなのかな。
ごめん。気づくの遅くなって。
もっと早く気づきたかったよ。
本当はまた、夜通し話したかったよ。
ねえ、あの夜走った、無人の道は。
ふたりホテル抜け出して駆けたコンビニまでの道は。
ほんとは銀河鉄道の駅へと続く扉だったのかな。
あの夜の煌めく街灯が示す道筋を、君はひとりで走って行ってしまった。
おいてかれるのはいつも、何度かさねてもやっぱり、寂しくなるね。
願わくば 花の季節の春
この続きはまたXmasがくるまでの秘密。
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