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少女と謎のモノレールのある高校
「……寒っ」両の手を重ね、それに息を吹き掛けながら薄暗い、自分以外人のいない駅で一人呟く。
そんな冬も間近になった秋の終わり、学校から帰るために、電車の駅までのモノレールに乗ろうとしているとしている時だった。
「寒い」
隣からそんな声が聞こえた。
視線を向けると、黒髪の長い小柄な少女が切れ長の目を此方へと寄越しながらクスクスと笑っていた。
俺の通う学校指定の制服とは違う黒色のセーラー服に身を包んだその子は「家は向こう? 」と俺に聞く。
「あぁそうだよ 」
「そうなんだ 」
適当な日常会話をしているとモノレールが近づいてきたのに俺が気づく。
「あぁ、やっとモノレールが来たね 」
そう言って少女へと視点を戻したときにはもうそこには少女はいなかった。
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