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『どう言うことだよ!お前が何で俺の護衛してたって訳?』
びっくりして浩二は言う。
「俺、尾上組の構成員なんすよ。誠竜会って聞いたことありますよね?浩二さんの親父さんと誠竜会の会長が昔からの付き合いなのも知ってますよね?」
『…………ああ』
「河成町の倉庫の件、目的の一つに浩二さんも絡んでます。そのせいで、実子って保育士が狙われてます」
秀治の説明に浩二は言葉を失った。
「ずっとふたりを見ていたんですよ、俺。彼女が、川勝の仲間に写真を撮られていたのも知ってます。恐らく、彼女が狙われてます。俺が彼女を守りますから、浩二さんはしばらくおとなしくしていてください」
秀治の言葉に浩二は焦る。
『実子さんが危険な目に合うと分かって、大人しくしてられるわけねぇだろ!』
浩二が怒鳴ると秀治は冷静な声で言った。
「シロウトは大人しくしててくださいよ。シャシャリ出てこられたら迷惑なんだよ。あんたはもうただの人だ。面倒をかけないでくれ。あんたの好きな女は俺が必ず守ってやるよ」
秀治はそう言うと電話を切った。
浩二は歯痒いが、秀治の言う事を信じて待つしかなかった。
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