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年末、大晦日。
年内最後の日であり、いつもだったらカノン……ではなく士郎の家で年を越していた。
だけど今回は。
「「ご馳走様でした。」」
私の家に天音がいる。
「蕎麦旨かった。」
「そう?あまり作らないから緊張しちゃった。」
私の家で天音が年越し蕎麦を作って食べていた。旨かった。
今年も士郎と過ごすかと思ったけど、天音からのおねだりがあったので。
士郎の方を切り捨てました。
今頃一人寂しくしてることだろう。
「天音、本当に私と過ごして良かった?」
「当たり前です。千景ちゃんがいいの。」
「それは嬉しいんだけどね。普通実家で過ごすものじゃないの?」
ちなみに私の父親と千春さん、睦月は今回帰ってこない。
どうしても外せないパーティーがあるとか。
「んー毎年そうだったけどね。でもやっぱり千景ちゃんだよ。年内最後と年明け最初に会いたいのも千景ちゃんだもん。」
「それは嬉しいけどね。」
「それに千景ちゃんも知ってる通り、昨日まで実家に帰ってたしいいかなって。」
そう。
昨日まで数日ほど天音は実家に帰っていた。私も昨日までギリギリカノンでの仕事があったし。
「お父さんにものすごく引き留められたけどね。お姉ちゃんいるし、逃げてきちゃった。」
それ………大丈夫なわけ?
私、絶対天音のお父さんに脳内で抹殺されてそう。
「それより千景ちゃん…。」
「何?」
「ちょっと飲んでもいいかな?千景ちゃんの前だし。」
「飲む?あ、いいよ。この後外にも出ないし。」
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