年末はご注意

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天音が飲みたいって言うのは珍しい。 外ならほどほどにって言うところだけど、生憎今は私の家。 ってあれ? 「私の家にお酒なんてないけど…。」 私高校生だし。 未成年だし。 「ふふっ。千景ちゃんの冷蔵庫事情は把握してます。これでも伊達に通い妻してませんから。」 「………。」 言い方!! 何も口に含んでなくて良かった。 絶対吹き出すところだった。 「千景ちゃん、私いるとき冷蔵庫あまり開けないのも……ね?」 「まさか。」 「じゃーん!」 冷蔵庫から取り出したのは間違いなくお酒で。 しかも二つ。 普段お酒なんて入れてないけど、出てきたってことは今日来たときにこっそり入れたってこと。 ………天音が少し悪い子になっちゃった。 「千景ちゃんはノンアルコールね?」 「当たり前だから。」 テーブルからソファに移動する。どうやら隣に座って飲みたいらしい。 コップに注いで……。 「「乾杯。」」 ノンアルコールなんて飲んだことないけど、ジュースとかわりはなかった。うむ、これは美味しいかも。 「今年は色々あったよね…。」 「そうだね、でも天音と出会えたのが一番いい思い出。」 出会った頃とかもう懐かしい。 あれからもう半年以上。 「あの頃ずっとね?話したいなって思ってたの。珈琲も感動したけど千景ちゃんのこと気になって…。」 「そうなの?」 「うん。無愛想で怖かったけど…私が美味しいって言った時に笑った顔見て…ギャップが凄くて。あの頃は戸惑ったけど今なら言える。一目惚れだった。」 初耳だった。 珈琲が好きで通ってると思ってた。いや、それもあるとは思うけど。
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