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「私も……気にはなってたよ。若い女性客は珍しいってのもあるけど。綺麗な人だなって、それに何かしら作業してたし社会人かなって。」
「そう…だったんだ。えへへ、この時からお互いに意識してたんだね。その上田中くんから助けてくれて…。」
偶然だったな。
たまたま少し残業して、たまたま天音と家が近かったからこその出来事。
いつもなら無視してたことでも相手が気になってた天音だったから無視できなかった。
「千景ちゃん…くっついてもいーい?」
「ん?」
今もソファでくっついてるのに?
私はそう思って戸惑っていると。
「よいしょ。」
「あ、天音?」
「えへへ…もっと近くなっちゃったね?」
なんと。
私の膝の上に天音がいる。
天音は座るのと同時に腕を首に回している。お互いの息遣いがよく分かる距離。
「もう少しで唇がくっついちゃうね?」
…………天音さんや。
わざとやってるの?わざと誘っているの?
「千景ちゃんが酔うところ見てみたいなぁ。」
「未成年だから飲まないよ。」
「むぅ、そういうところ真面目なんだから。」
いや、高校生にお酒を進めないで。
美味しそうに飲んでるのを見ていると、そりゃあ興味はわくけども。
「顔赤くなってる。」
頬に手を添えると熱が伝わる。
目も少しトロンとなってきてる。
お酒弱いというか…。
ちらりとチューハイの缶を見て、天音の酔いが早く回ったのも頷けた。
ストロングだったからだ。
「千景ちゃんの手…冷たくて気持ちいーい。」
頬を私の手に押し付けてくれる。
可愛い。
やっぱり外で天音を酔わすのは危ないとも思った。
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