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あとがきのあと
あー。終わった終わっためでたしめでたしだ。子作りも一段落したね。鼠耳つけたマコネズミ可愛かったぞ。
半分気絶していた真琴の腰回りをいやらしく撫で回して勘解由小路は言い、ベッドの前に集合し、膝を折った僕達に視線を向けた。
「そう言えば、弁天の影響はお前達にも及んでいたんだよな?紅一点の三田橋さんなんかツヤツヤしちゃって。お前達はお前達で新年を満喫したようだ。そうだな。冬のボーナスどうしようかな?どう思う三田村さん?」
腰を折ったまま、三田村さんは面を丁寧に外し、こう奏上した。
「永遠にして無限なる我等が真の主、魔上皇ハデス様に奏上いたします。我等の働きにご満足とあらば、どうか、我等に夢をお与えくださいませ。かの者の影をついに、アンドラスが捉えましてございます」
「ふーん。そうか。じゃあ、真琴が起きたらみんなで旅行に行こうじゃないか。あれを捕まえれば芋ずる式で全員手に入る。ゲーティアフルコンだ。小さい角を見付けた奴は誉めちぎってやろう。三田村さんの次はそいつだ。気張れよお前達。ああそれから、トキ、相変わらずだったぞ。貴狐天王を降ろしたお前は凄いインパクトだった。さっさと羽化登仙しちゃえよ。俺は気にせんぞ。既に鳴神も弁天もうちの住人だ。俺の家が神の巣窟になったって」
「はい坊っちゃま。されど今控えしはその用件ではございません。坊っちゃま、今後のことでございます。時に、お仕事はどうなさいますか?」
あああ。勘解由小路は言った。
真琴と子作りしたくてさっさと辞めてしまったのだ。
今の勘解由小路は完全にただの無職だった。
「この年でトキにそれを言われるとはな。僕がいれば出来ないことはないんだがな」
「さしあたり、坊っちゃまには我が子宗春が辞した狐霊堂学園の理事長のポストにお着きなさいませ」
「まあ鵺春の後釜か。とりあえずいいか。それでも」
「それだけではございません。坊っちゃまには、トキの大願を果たしていただきたいのです」
即察知した勘解由小路は、真琴の肩を優しく叩いた。
「真琴。真琴。起きてくれ母ちゃん。俺達の人生の転換期が来た。ああ駄目だ。轟沈していて。なあトキ、お前の言わんとしていることは理解した。まあそういうのもあるだろう。真琴が起きたら聞こう。ただ一つ言っておく。俺が乗る車はあれだけだぞ。はっきり言っておく。あれはただの騒音だと」
「勿論でございます。坊っちゃまにおかれましては、そのような些事に惑わされることなく登り詰めていただければ。トキに全てお任せくださいませ。未来の総理大臣閣下」
勘解由小路は無言で頷き、トキの目は怪しく光っていた。
今度こそ了
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