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入り口
塾からの帰り道、雑踏の中横断歩道を渡る。
今日も街頭の大型スクリーンでは、
国内犯罪やテロを扱ったをニュースが流れている。
ろくでもない世界──
1月下旬の寒さに震えながら、俺は口元で手に温かい息を吹きかけながら、
誰にも聞こえないようボソリと呟く。
「こんな真っ黒な世界、真っ白になればいいのに」
その瞬間、歩道の先で誰かが微笑む。
白い服に身を包んだ女の子……?
次の瞬間、その姿はもう消えていた。
翌朝寒さで目が覚め、窓の外を見ると一面真っ白な雪景色だった。
そして、窓の下には昨日の女の子の姿が──
「待って!!」
俺は寝間着のスウェットのまま、家の階段を駆け下りた。
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