エピローグ 恋はエンドレス

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 大学を卒業後、僕は小さな出版社に就職した。その会社では医療関係業界のコラム誌を発行しており、僕は記事のネタを収集するため、毎日、いろいろな企業や医療機関を飛びまわっていた。  業界のある小さなパーティーに仕事で出席した時のこと。ワインを飲んでいる僕の前に、白い手がスッと差し出された。その手にはオレンジ色の丸いものが。 「葉山くん。みかん食べる?」 「えっ」 「かっこよくなったねー。でもあの葉山くんだってすぐにわかった」  クリーム色のジャケットにお揃いのタイトスカート。ジャケットの胸には銀色のブローチ。スラっと背が高くて脚が長い・・・ああ。そんな。まさかありえない。 「あれ。わたしのこと忘れちゃった?」  かわいい小さな顔が僕に笑いかけている。その素敵な笑顔に痺れてしまう。  あの時と変わらない笑顔だった。  もっと素敵に綺麗になったあなたがそこに。 「せ、な、七尾先輩・・・」 「葉山くん。久しぶりだね。元気だった?」 「どどど、ど」  七尾樹理。僕の永遠の女神が僕に微笑んでいた。
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