エピローグ 恋はエンドレス

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「どうしてここに、と、きみは言いたいのかな」 「そ、そ、そうです」 「それはわたしが葉山くんと同じ業界の人間だから」 「あ、あ、あ」 「大丈夫?飲み過ぎたんじゃない」 「大丈夫。大丈夫です。ああびっくりした」  七尾先輩は、医療コンサルタント企業に就職したと話してくれた。そして僕の会社が発行しているコラム誌も読んでいると。 「葉山くんの記事には署名があったから、すぐにあのハシゴの葉山くんだとわかった」 「ハシゴかあ。懐かしいですね」 「うん。もうあれから三年?」 「そう。そうですね。三年経ちました」  懐かしいと言ったが、ハシゴの上で告白したのが昨日のことのようだった。そして僕はまだこの人のことを忘れていない。 「葉山くん。結婚は?」 「まさか。まだですよ。そういう七尾先輩はどうなんですか」 「まさか。まだよ」
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