ラニアケア超銀河団のどこか 3

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ラニアケア超銀河団のどこか 3

─── さぁ、相棒。ぼくが君にこの配信を見せた目的が分かるかい?  いやまあ、ひとまずは、この配信の感想を聞こうか。どうだった。彼女たちのこの先を見たいとは思わないかい。  え? うんうん、そうだろう、見たいだろう、正味なところ瞬間的にストレスフルなこの正体不明のスペクトル、癖になるだろう?! なにより!!  ミカ・アサイは可愛いだろう?!  え、可愛いってなんだって? ぼくに聞かれてもな。いま君が「この続きを見たい!」と思ったのとそう大差ないだろう。君はどうしてこの続きを見たいと思ったんだ、このミカ・アサイの感情の行方を知りたいと思ったんだろう、まったく興味が無い朴念仁であればそんなことは露ほども思わないはずさ。  そうだな、そうしてもしぼくと君に差分があるとするならば、その感情の行方が、「彼女の気持ちが相手に伝わって欲しい」と願うのか、その逆か、ただその先を知りたいだけか、それだけの違いだ。ぼくはもちろん、アキ・ヒビヤにミカ・アサイの気持ちが正常に伝わってくれたらいいと思う派だがな!  いずれにせよ、お前はこの続きが見たいと思ったんだ、それは変わりがないな?  では、。  この配信で言っていた通りなんだが、すでにこの小さな星は存在していない。別の星にぶつかったとか近くにある列星に飲み込まれたわけでもない。いや、正確には、ということだ。  あまりに唐突だ。星の中で何かが起きたらしい。  そこで、だ。相棒、耳かっぽじってよおく聞けよ。  これからこのラニアケア超銀河団の果ての果ての銀河、その更に端っこの星のをしに行かないか?  ミカ・アサイが言えなかった言葉を聞きに行くのさ!  え? どうやって、だって? おいおい、相棒、お前はいったい何に乗って来たんだ?  あのグレート・アトラクタの異常重力を抜けてきた自動旅客機があるんだろう、この配信の後援者であるシャミデイル商社には!  この配信の閲覧数を見てみろよ、最後に呼び掛けてる資金調達も十分。配信者は奴らに交渉しにいく。  そうすれば、たかが1億6000万パーセクの距離なんて瞬きみたいなもんだ、そうだろう?  ああ、分かってる。お前の言いたいことは、ぼくたちは直接伝達してしまうからな。みなまで言うな。  まずは落ち着けよ、ギァムベリカを飲み干せ。  
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