無言のさよならを……〈語り・依織〉

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無言のさよならを……〈語り・依織〉

蒼昊、今までありがとうございました。 目を瞑って今まで、何かと 私のことを何時も気にかけてくれていた 友人兼先輩の彼に心の中で お礼を言い、家を出ました。 その日、私は 彼の前から姿を消しました。 。.・◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.・◆・.。 きっかけはある一通の手紙でした。 私が彼に甘え過ぎているということ。 それが気に入らないこと。 そんな内容が便箋十枚程に びっしり書かれていました。 わかっていますよ‼ 私が彼に甘え過ぎていたなんてことは‼ 五つ年上の彼は仲良くなってから 何かと私の世話をしてくれました。 彼曰く、 “好きでやっていること”らしいですが やはり、端から見ると、私が 甘え過ぎていると見えるんでしょう。 そして、私は密かに彼に 恋心を抱いていました。 手紙の主は そんなことは知らないでしょうけどね。
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