progressive first meets

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『今晩は』 「はいっ!?」 持っていた端末から呼びかけられ、イブキは飛び上がった。 画面の中の相手はくすくすと笑いながら、 『ごめんなさい。今、お時間大丈夫ですか?』 「は、はあ」 ……まさか、向こうから連絡が来るなんて。 こんなに、活発な子だったんだ……。 耳の熱さを気にしつつ、心地いい声だなと思った。 チャットで済ませるでもなく対面通信に切り替えてきた相手とどぎまぎしながら挨拶を交わしたものの、一週間後にデートしようと話がまとまるのは思いのほか早く、イブキはかつてない高揚感と不安から解放されないまま灰色の平日を過ごした。 そして迎えた今日という日は、澱んだ街の空気も心なしか澄んで芳しく、無機物があふれる見慣れた風景さえ彩り豊かに見える。 何かを待ち遠しいと感じるのは、子供の頃以来かもしれない。 左手首の時計とリストバンドの位置を直してまた息をついた時。 「おはようございます」 あの、朗らかな声だ――振り向いたイブキに相手はにっこりと笑って、 「はじめまして、メイです」 何もかもが整い過ぎていて、義体なのかと疑った。
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