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「はっ?!お前、俺も要狙ってんだけど。あの首輪外して首噛んじゃおっかな~」
「ふざけんな。しかもそれ犯罪だぞ」
「俺は隣のクラスの河野かな~。まぁ、高校行ったら他にも良いヤツ居るかもだから焦らなくてもいいんじゃね?」
早くもクラスメイト達の話題は僕ではなく他のΩへと移っていった。
それから暫くして午後の予鈴が鳴ると、3人はワイワイと楽しそうに教室へと戻って行く。
だけど、僕はそこから少しも動けなかった。
「…グスッ」
目から涙がポロリと出た。
なんとなく分かってたんだ…僕が出来損ないのΩだって。
他のΩの子達はみんなとても綺麗で、この年齢にもなると発情期であるヒートを皆が経験している。
だからΩとしての自覚を強く持って過ごしていて、心得というものを親から教えられていたし対策にも余念がない。
望まない妊娠を避けるために抑制剤でヒートを抑えたり、首筋を噛まれることで番になるのを防ぐ為に首輪をしていたり。
そして、いつαに見初められてもいい様にと早い子は花嫁修業をしているらしいけれど、僕はヒートさえ来ていなくて…。
βの両親から産まれた珍しいΩ。
それだからかΩの素養がない、キラキラしたモノは一切ない目立たない存在。
Ωは地位が低くて、社会人としてやっていくのも大変なことが多い。
だからこそ、Ωの家族はαへ嫁ぐことを1番の幸せだと信じているし望んでいる。
それなのに…。
僕にはお父さんやお母さんが望む様な結婚は無理かもしれない。
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