学園生活のはじまりは…

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学園生活のはじまりは…

学校の校庭の桜もめいっぱい薄桃色の花をたくさん咲かせ、その横を制服に身を包んだ生徒達が大勢歩いて行く。 楽しそうに笑っていたり、新しい生活にワクワクしていたりと表情もそれぞれだ。 その横にある歩道を僕、星倉 柚月:(ほしくら ゆず)はお父さんとお母さんと並んで歩いていた。 学校まで近いので、のんびりと歩いての登校だ。 こうして一緒に歩くのも入学してしまえば、当分無い。 そう思うと、なんだかウルッと来そうになっていた。 だけど僕のその足も次の瞬間にはピタリと止まり、家族3人で驚きに目を丸くした。 それは周囲を歩くΩの家族も同様だった。 「す、凄いな…母さん」 「凄いわね、お父さん…」 「…っ!!」 両親は声にならないといった風に呟いて、その隣で僕も驚きと緊張に息を飲んだ。 αだ…!! なぜなら学校の車寄せには次から次へと高級車が停まり、その開けられたドアから制服姿の男子生徒とその保護者と思われる大人が多く降り立って居たからだった。 それは全てαに違いなかった。 送迎の車が高級車なのは、お金持ちの証拠だ。 世界中にいるお金持ちは、ほぼαに決まっている。 これは世界の常識で、α以外が大成功を納めたなんて話は聞いたことがない。 そしてなによりもオーラが違った。 αのオーラは圧が凄い。 それはαの中でも能力が高ければ高い程に凄いって聞いた。 αとΩの特別高校、それも僕の入学する名門校ともなると様々なところから優秀なαが一気に集うから、βが大多数を占めていた小・中学校とは格段に違う。 目の前に来られたら、僕なんて圧倒されて萎縮しちゃいそうだ。
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