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イライラする。笑顔で立派に祖父を見送ってあげたいのに、これでは母も傷つけられたまま、他の遺族達も心が晴れないではないか。
そして終えた通夜。東京から帰省してくれた親戚を我が家で迎え、祖父の思い出話に花を咲かせる。
とても、とても優しい人達。祖父の妹のあやちゃんは認知症だ。しかし祖父の知らせを受けると涙を流し最後のお別れをしたいと訴えたそうだ。あやちゃんの夫もまた、涙を流し悔やんでくれたが肺を患っていた為帰って来れなかった。大変な中連れて帰って来てくれた母の従姉妹夫婦は文句ひとつ言わずに、母や祖母を労ってくれる。それがどれ程に優しく染み込み、私達には有難かった事か。
感謝しても仕切らないほどに、優しい人達に助けられているのだと知る事が出来た。
『 感謝すること。誰のことも恨まない、妬まないこと。良いところを見ること。そしたら、幸せになれる 』
いつかの祖父の言葉は、そういう事だったのか。
ならば、私は誰よりも優しく在りたい。
教えてくれた、祖父の為にも。
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