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葬儀には、沢山の人達が別れをしに来てくれた。
人は宝だとよく言うが、祖父はこんなにも沢山の人たちから慕われていたと思うと胸が熱くなる。中には涙を流しながら祭壇を見つめる人もいて、その人へ従姉妹4人、深々と感謝の気持ちを込めて頭を下げた。
「 元気で行ってきいよ 」
焼却炉の赤いボタンを喪主である叔父が、初めて涙を浮かべながら苦しそうに押した。誰も責めることなんて出来ない。立派な仕事を引き受けてくれた叔父は、これから祖父の死を乗り越えて強くなっていくのだろう。
そして火葬を待つ間の食事の場で、私は勇気を出すこととなる。
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