人生の順番

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人生の順番

 俺の次男は大学を卒業すると家の後継をするのかと思っていたが大学院に行きたいと言った。その二年後には博士課程にも進みたいと言う。さらにその後、フランスに留学すると言い出した。留学にかかる当面の費用は大学時代からアルバイトして貯めてあると言う。その時、義母と実母は84歳だった。  実母は孫の勉強熱心を喜び、勉強のためならいつでも自分も資金提供したいと言った。  義母は意外にも寂しそうにした。 「しばらく会えないね。」 と、彼に御守りだと言って自分が長年使ってきた数珠を渡した。    その次の冬に俺の父と嫁の父は、相次いで亡くなった。俺の父は心筋梗塞、嫁の父は心臓の近くの大動脈瘤破裂で、二人とも発作が起きるまでは元気にしていた。救急車が来た時には意識がない状態で病院に着いた時には、もうダメだと言われた。俺の父の半月後に、嫁の父も同じようにして逝った。  残された実母はかなり落胆して、俺はしばらく実家に泊まった。 「先に死にたかった。」 と、何かにつけて父を思い出し泣いてばかりいた。  義母は比較的平静だった。 「みんな順番に行くから仕方ない。」 と何度も言った。初七日に集まった親族が励まし麻雀をしてくれた時から、また毎日麻雀仲間と麻雀三昧の日々が始まり、元気そうだった。 ^_^まんゎわ、ら
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