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 世界は残酷だ……モンスターが人だった血肉に酔いしれ肉を裂き、自らの血肉へと変える。  またとあるモンスターは拐った娘に凌辱の限りを尽くす。  モンスターに敗れた人の末路というのは喰われるか凌辱されるか、頭部を切り落とされ脊髄を乗っ取られるか……。  それでも人々は身に宿る神秘という名の魔力を駆使或いは、鍛え上げられた肉体一つでモンスターと戦い、神へ生の祈りを捧げる。  残酷な世界に人々は神に縋り生きていく、神を奉ずる教会には毎年敬虔なる信者が集まる程に。  時に人々は悪魔と契約を結び対価を払い力を行使する。  そうして人々はモンスターと戦う術を身に付け、ある者は退治屋として、ある者は傭兵として……。  そして時には永い時を生きるエルフから知恵を借り、ドワーフが作り出す武器に身を固めて。  ただ、何事も例外は有る……それは悪魔に憑かれた者達だ。  悪魔憑きと呼ばれる者達は蔑まれ、疎まれ、モンスターに殺されるか、人々の正義感という名の悪意に殺されるか、身に宿った悪魔によってモンスターに成り果て絶望の中死んでいく。  ……これは悪魔を身に封印されたった一つの祈りを叶える為に生きた少年の物語。                       
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