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勇は、広い牧場で草を食んでいた。牧場一杯に生えている草は、とても美味しく感じられる。隣でメス牛も草を食んでいた。
「見かけない顔ね。どこから来たの?」
「俺もどこから来たか分かんねえんだ。この草がとても美味しく感じられるんで食っているんだ」
「私たちメス牛は、お乳を人間に搾らせて、ここに飼われているのさ。あんたのようなオス牛は、ここじゃ種牛の役が仕事なのさ。あんた、イケメンだね。この牧場は、殆どがメス牛さ。この牧場じゃオス牛はもてるよ」
勇は、知らないうちにオス牛となっており、隣で草を食むメス牛と仲良くなり、そのメス牛を牧子と呼ぶことにした。牧子はよくしゃべり牧場の知りたい情報を教えてくれた。
「私たちゃ、この広い牧場の草を食んでいるんで、人間たちが肉にして食べると美味しいんだってさ。栄養もバランスが取れていいんだってさ。」
「ほかの牛舎のウシ飼いたちは、草と栄養価のある配合飼料も与えるんだってさ。そしたら、草だけ食べているウシより栄養が高く旨いんだってさ」「だけど、そんな旨い肉ばっか食べてると動脈硬化になりやすいんだってさ」
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