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ボタンが外されていたシャツを左右に開けば、愛らしく主張する胸の突起が目に入った。
驚きからかトーンの下がる三人。
ドヤ顔の風紀委員長。
と、混乱して動けないままの空牙。
その姿は首から膝上まで――胸と下腹部を露出した半裸、いや、ほぼ全裸な状態である。
両腕(肘)を床につき少しだけ上半身を浮かせ、どうすれば良いのか分からないといった困り顔を皆に向ける。
スンスンと鼻を鳴らし、赤くなった目のふちや涙に濡れる頬、呼吸の度に上下する肌色とその先にあるモノ……。
ゴクリ
目の前の光景に生唾を飲み込む音がし、気付けば異常なほど熱い眼差しが注がれていた。
「ねえ、くうちゃんのそれは何で勃ってるのかなぁ。風紀委員長が言うように、触られて嬉しくて泣いたの? もしそうなら俺もお仕置きしちゃうけど、良いよね」
ついさっきまで風紀委員長から庇うように抱きしめ、自分を慰めてくれていた会計の言葉にポカンとする空牙。
だが、続いて吐かれた副会長と会長の台詞に、戦慄が走る。
「私は少し勘違いしていたようです。空牙、あなた本当は優しくされるよりも痛い方のが好みだったんですね。口では嫌がりながら身体はとても気持ち良かったみたいですし。何でしたら私が行為の続きをしてあげましょうか。フフ、大丈夫です。出来る限り痛くして差し上げますよ」
「ワンコロ……俺が最初から躾直してやる。俺以外の奴に触られても何も感じねーように、俺の前でだけやらしくねだって、何度も気ぃ失うくらい前も後ろもドロドロにさせて、可愛く鳴きながら悦ぶ可愛いペットにな。躾が全部終わるまで、部屋に閉じ込め鎖に繋いで、その後も一生お前を飼ってやる」
「ハッ、こいつは俺に惚れまくりだからお前らには絶対に靡かねーよ。なあ? てことで、そろそろ一緒に気持ち良くなろうぜ空牙ぁ」
「ひっ……!?」
獣のような鋭い目をギラつかせ舌なめずりする風紀委員長を見て、声にならない悲鳴をあげた絶体絶命の空牙。
じりじりと近寄って来る相手に怯えカタカタと震えだす身体。
抜けた腰を引き摺ってでも逃げようと、わずかに後退りをした途端、隣にいた会計に肩と太ももを掴まれた。
「は、離し……!」
「駄目だよくうちゃん、絶対逃がさないからね」
「そうですよ空牙、イイコにしててください」
「じゃねーと俺ら全員でお前を」
「――お仕置きすることになるかもなぁ?」
スパーンッ
「痛っ……副、てめえ何しやがる!」
「うっせーですよ委員長。俺のは風紀として当然の行動、いわばアンタの自業自得っス。はいはい、生徒会の皆様もそこまでにするっスよー」
突然痛快な音が室内に響き、ハリセンを片手に現れたのは風紀副委員長。
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