旦那様と私~婚約破棄させてもらいます~

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1.婚約破棄させて頂きます 私、水口紗枝は赤井家でメイドとして働いているのです。 メイドとして働いているのはいいですけど、赤井家では赤井悟という 旦那様がいて、悟様には奥さんもいます。 悟様は既婚者なのですけど、私に興味あるのかどうか知りませんけど、 よくちょっかいを出してくるのです。 私も悟様というより旦那様の事は気にはなりますけれど、奥さんも いるので手を出しません。 そんなある日、旦那様は私の元へ来るとこう言ってくるのでした。 「紗枝さん、俺と婚約しないか?」 「婚約って…………出来ません」 「どうしてだ?」 「旦那様には奥様がいるじゃないですか」 「そんなのは関係ない」 「関係ありますよ」 「紗枝さんと婚約したいんだ」 「出来ません、ごめんなさい」 私が拒否し続けると旦那様はこちらに近寄ってきて私にキスしてくるのです。 拒めば何とかなりましたけど、私は旦那様のキスを受け入れてしまった。 「俺のキスを受け入れたという事は婚約してもいいって事か?」 「は、はい」 「ありがとう、紗枝さん」 私は頷いています。 それから私と旦那様の秘密な関係が始まるのです。 普段、私はメイドとしてお仕事しているのですけど、メイドとしてのお仕事が 終わってお部屋に戻ると旦那様が待っているのでした。 私は旦那様の目の前でメイド服と下着を脱いで裸体となるのですが、 裸体になってしまうと旦那様が私を求めて抱いてくるのです。 抱いてくるというのは性交…………つまりは旦那様とはセックスをしているのです。 旦那様とセックスしているととても気持ちよくて快楽に溺れる私がいますが、 それでも罪悪感はなくて嬉しい気持ちになります。 何度も何度もセックスしているうちに私も旦那様に惹かれてしまってどうしようも なくなると、後戻りは出来ない。 こういう関係が何日も続いたある日、奥様からある事を言われます。 「紗枝さん、もしかして悟と何かしているの?」 「旦那様とは何もございません」 「嘘言わないで!」 「ご、ごめんなさい」 「悟とはどういう関係なの?」 「そのですね、婚約しないかって言われて受け入れました」 「紗枝さん、私と悟は夫婦だって知ってて婚約を受け入れたの?」 「はい」 「貴方って女狐ね」 「そんなつもりじゃないです」 「どういう事よ」 「ごめんなさい」 「悟からの婚約はしっかりと破棄して下さいね。 そうしなかったら貴方を解雇します」 「奥様、わかりました」 私と旦那様との関係がついに奥様にバレてしまってどうしようもありません。 どうすればいいのかなって考えていますけど、もうこれは婚約を破棄するしか 方法がないのでしょうがありません。 それに私はメイドとして働いているので行き場を失うと困ります。 そこで私は婚約破棄するために旦那様のお部屋へと向かいます。 旦那様のお部屋の前へ着くと、私はドアをノックしてお部屋の中へ入ります。 お部屋の中へ入ると私は旦那様の元へ近寄って婚約の件をお話するのでした。 「旦那様、婚約の件ですが…………」 「婚約の件がどうかしたのか?」 「えっとですね、婚約破棄させてもらいます」 「どういう事だ?」 「私達の関係が奥様にバレてしまったようで………………」 「そういう事か」 「はい」 「それはしょうがないな」 「はい」 「婚約破棄させてもらいます、ごめんなさい」 「なぜ紗枝さんが謝るんだ」 「私も婚約を受け入れてしまったので」 「それは俺が勝手にした事で紗枝さんは悪くない」 「そうかもしれませんが………………」 「そこまで気にしないでくれ」 「はい、わかりました」 私はお話が終わるとお部屋を出ていつも通りの メイドとしてのお仕事に戻ります。 私と旦那様の秘密の関係はこれで終わってしまうけれど、 仕方がない事だと思います。 旦那様には奥様がいて、私は婚約を受け入れたものの、婚約破棄して 正解かなって思います。 旦那様とは結ばれたいけれど、それをしてしまうと良くないので 婚約破棄が一番の方法でした。 私自身はメイドとして赤井家で雇ってもらっているのでお仕事を 失うわけにはいきません。 恋愛するのであれば別の異性とすれば良いので、そちらの方が 安心ですよね。 何はともあれ私から婚約破棄した事で元の日常が戻ってきたので 嬉しい事でした。 これからは恋愛するにしてもしないにしても迷惑をかけないように したいと考えております。
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