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行け、そうそう、そこっ――――
「土屋君っ」
全身に力が入り、息が止まる――――
次の瞬間、ゴールネットが揺れ、甲高いホイッスルが鳴る。
やった――――
「二対一で、桜蘭高校の勝ち!」
喜ぶ選手と、項垂れる選手が入り交じりながら、ピッチを後にする。
胸の前で握りしめたサッカーボールを型どった手作りのお守りをポケットに突っ込んだ。
「じゃ、帰ろっか?」
興奮冷めやらぬ私の隣で立ち上がりそう言ったのは友達の藤堂公恵だった。彼女に置いて行かれないように私もすぐにサッカー場を後にした。
「じゃ、約束よろしくねっ、純子」
「はいはい、わかってるってば」
急にテンションが上がる友達の公恵が試合観戦に付き合ってくれたのは、私が奢るパフェが目当てだった。
「じゃあ、デラックスにしちゃおっかな?」
「はいはい、デラックスでもマツコでも好きなの頼んでいいよ」
試合のあった運動公園から数分歩いた場所のカフェ『ガーデン』にある話題のパフェだった。色々なフルーツをあしらった上にプリンやチョコレートやら、この世の甘いもの全てを詰め込んだのではないかと思わせる巨大パフェだった。
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