第4章「バケモノ」と呼ばれて

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〈ガチャ〉 「皆さ~ん、今帰りましたよ~」 『あっ先生!お帰りなさい!』 私が先生と呼んだ男性の名は千樹(せんじゅ)さんと言い、もともとお父様の生徒さん・・・だったらしい。 お父様、お母様が居ない今、彼が私たち三姉妹の保護者みたいになってはいるが、実際のところ、彼が何時(いつ)何処(どこ)で一体何をしているのかは解らない。 「あれ?いつかさんと二三(ふみ)さんは?」 『二人とも泣き疲れたみたいで、もう寝ちゃいました…』 利かん坊二人に振り回され、クタクタになる小学4年生の私。 こんなクタクタで疲れきった小学4年生の女の子をそんじょそこいらでお目に掛けることができるなんてそうはないだろう。 けど、そんな私にも唯一甘えられる時間がある。 それはいつかと二三(ふみ)が眠りについた後に私が寝るまでのほんの僅かな時間。 だから、今夜も私はこれでもかと今日起きた出来事をありったけの喜びと怒りを込めて先生にぶつけてやるの。
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