お義母さまと私

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 ちなみに、菊枝の自宅の近所にも立派な図書館はある。しかし、遥子は三年前にちょっとしたトラブルを起こしている。それ以後、遥子は歩いて五分の好立地にある図書館に行こうとはしない。さすがの遥子もバツが悪いのだろう。    あの日、図書館で本を探していた遥子は、テーブル席でペラペラと喋っていた高校生の男子生徒に暴力をふるったのだ。  遥子は手当たり次第に本を黒川少年の顔にぶつけた。黒川少年が呻いて鼻血を流しながらも、カッとなり遥子に掴みかかろうとした。騒ぎを見かねたオカッパ頭のベテラン司書の岸辺さんがやって来て注意したというのである。  
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