プロローグ

2/18
前へ
/59ページ
次へ
長野県 篠沢(しのざわ)町。 観光スポットとして知られる商店街のようなところで、この篠沢の周りを取り囲む山はとても美しく、幻想的でもあった。 あちらこちらには様々なお店が開かれており、観光客もまばらにいる。 そんな中、一人。ベンチに腰掛けている一人のパーカー姿の女性がいた。 「どうしよう...」 そうため息混じりに、ポツリと呟く華原 蒼(かはら あお)。目に光は宿っておらず、感情が全て抜き取られたかのような表情をしている。強いていうなら、絶望に満ちた顔だ。 「このままじゃ...死にそう...」 なぜ蒼がここまで追い詰められているのか。事の発端は約1ヶ月前にさかのぼる。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加