怖いものの話

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「ねぇママ。おはなし よんで。」 布団に横になっていた息子の声が聞こえる。 「まだ眠れないの?」 「うん。」 息子は今年で5歳になる。夜泣きがおさまったことはありがたいが、様々な好奇心が働いているせいで、なかなか体が休まらない。こんな時は、決まって大好きなアニメのヒーローを登場させた創作話や、無作為に選んだ絵本の読み聞かせをする。 「仕方ないねぇ・・・何がいいの?ソルジャーレッドが出てくるお話?それとも、絵本の続き?」 「ぼく、こわいはなしがいい!」 「怖い話?ダメダメ、夜トイレ行けなくなって、またおねしょしちゃうかもしれないよ?」 「おねしょしないもん!」 どこから出てくるのか 溢れんばかりの自信で目が輝いている。 まぁ・・・この子が寝てくれるなら・・・。 「じゃあ、とっておきの話をしようかね。」 「わーい!!」 隣に潜り込むと、息子は私に寄り添ってきた。
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