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後ろの牢屋に居た二人が繋がれて出ていった後に、俺も馬車に乗られてガタゴトと移動になった。
野外から屋内の奥深くって感じだなぁ。
まあ、流石に手ぶらで警備はあれだからと言って鉄製の剣一本を貰って監視役になった。
別に鍵なんて要らなかったけど、能力を買われて鍵付きの要撃破要員にされた。
「さて、つまらない監視役の始まりか。」
「つまらないのならば、我々を助けてくれないか?」
「それはお断りだね。」
さて、現在の状況はというと…。
目の前に狭苦しい牢屋がありまして、それらに個々に先程あった二人とその他にもう二人捕らえられている状況だね。
「何故、君はニルギリス帝国に加担するんだ?」
「上の命令だよ、上と言っても今のニルギリスの方ではない方のな。」
「上の命令…それは一体誰だ?」
「それは教えられないなあ、教えても理解は出来ないだろうし。」
「…おい。」
急に後ろから声をかけられる。
振り返った時にいきなりゴンッ!!っと衝撃が走った。
破壊の力をオーラ状にして、衝撃によるダメージはゼロだけどもとりあえずその場に倒れてみた。
「助けにきたぞ。」
「おおっ!!助けに来てくれたか!!」
「少し待ってろ…鍵はこいつが…持っているな、よし…鍵穴は合うが…。」
「鍵穴は合うが…どうしたんだい?」
「…回らない、何か詰め物でもされているように硬いんだ。」
「まさか…何かされたとでも?」
「可能性としては…あるな、だがしかし…見た目は何も変わらないのに何故開かないんだ?」
ふふふ、困ってる困ってる。
先程のやり取りの間にこいつともう一人の牢屋の鍵穴部分を破壊させてもらったからな。
後はどうすることやら…。
「開かないのなら仕方ない…先に姫様を助けだしてくれ!!」
「お前はどうするんだ?」
「仲間達で此処を制圧出来れば力づくでもどうにか出来そうだが…状況は?」
「それは難しいな…ただ警備はそれほど厳重ではない以上、奇襲を仕掛ければいけなくもないが…。」
ここの戦力は反乱軍よりは上だけど、俺という人物を手に入れたからか警備はそれほどでもないらしい。
まあ、ここから何かしらの手柄を手にいれて帰すはずがないのでまだ倒れてよう。
「警備はそれほど厳重ではない…恐らく、そこに倒れている奴のせいだろうな。」
「奴のせいだと?」
「こいつはただの兵士に見えるが、破壊の力を持っている…恐らくはそのせいだろう。」
「破壊の力?なんだそれは?」
「私も詳しいことは分からないが…近距離、それも奴が手にとれる物を破壊できるらしい。」
「…話には信じがたいが、恐ろしい力だな。」
「もしかしたら、この鍵穴も奴の力のせいなのかもしれないが…奴はこの鍵穴には触れていない。」
「ふむ…とりあえず、奴が気絶している隙がチャンスという訳か。」
残念ながら気絶しておりません。
姫様という高貴な人物も助けられない状況に陥ったら、仕方ないから目覚めてやりますよ。
「…助けにきたぞ。」
「誰ですか貴方は…ウィルソンはどうしたのです?」
「都合により後回しになった、待ってろ…鍵穴が…合うが…開かないだと!?」
「あはははは!!盛大に引っ掛かってくれてありがとよ!!」
「何!?お前気絶していたはずでは!!」
「馬鹿かお前は、破壊の力を持っている俺が気絶なんてするはずないだろ…演出だよ演出!!」
さてと、この盗賊を適当に相手してやろうか。
破壊の力をどう使うのかは秘密だね。
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