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烏を舐めたらあかん
「烏が泣くから帰ろ~と。」
「そうか…ならば帰れ、土にな。」
「だ、誰っだ!?」
夕暮れ時、ゴミ置き場の前を通りながら家路についていたら突然後ろからそんなことを言われたからびっくらこいたぜい。
サァー。
そんな感じの音をたてながら周りの風景が変わっていく…。
これは何だ!?まさか…幻覚か?
「違うと言いたい所だが…言っても理解できまい、散れ…烏爆突っつき。」
カァーガァーカァー。
またもや後ろから声が聴こえたと思ったら、烏の鳴き声が響き渡った…。
そして、次の瞬間黒雲のごときの烏の塊が俺の上へと現れてカァーカァーと鳴き始める。
「殺れ。」
カァー!!
「痛い!!ってことは…これは現実!?というかやべえ死んだわ。」
「奴の希望通り、変わった奴だ。死を目前にして冷静とはな。」
「…あんたは誰だ?何故俺にこんな仕打ちを?」
「俺は送り手。こんな仕打ちの仕方はその時々の気分だ…もっと楽に死にたかったか?」
「そうだな…どうせなら楽に…イタッ!!死にた…痛いっての。」
あー、駄目だ。出血多量で確実に死ぬわ。
やべえ死んだわの時点でやけに殺気だった烏の大軍に囲まれてたし、そろそろ時世の句でも述べたいわ。
「終わりだな。まあ、己の不運と奴の恨みをかねて死に沈むがよい。」
そんな言葉を聴きながら俺は意識を失った。
時世の句…何がいいかな…そうだ俺は死んだ…スイーツ(笑)で良いか。
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