早川悟流

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講義が終わって飯食いに家に帰ろうかとしていたところ、高峰を見かけた。ガリガリで身長高いと目立つな。 「おい、高峰。飯は?」 「おー早川。今からだぞー」 高峰がいるし一緒に学食に行く。高峰の注文はうどんという…こいつ、食も細い。 「早川、彼女作らないの?」 食事中に何気無く聞かれた。 「作らないじゃなくて、作れない。モテないんで」 「バンドやってるからファンいるでしょ?」 「そういう子と付き合うとか無理。バカそうな子多くて」 「なるほどねー。知的美人がいいのか!」 「まぁ、そんなところ」 「早川モテそうなのにもったいないなー!口悪いもんね~」 「なんだよそれ。高峰はモテるけど、怖い嫁がいるもんな」 「えー?モテないよ~全然!それと嫁怖いとかあんまり言わないでよね。派留(はる)聞いたら怒るんだから」 高峰は学生のくせに、結婚してるという強者。嫁はめちゃくちゃ頭のいい金持ちの娘。 で、うちの親父が家庭教師していたらしいけど、俺はよく知らない。 「はいはい。わかった」 「早川にいい子が見つかりますよーに、神だのみしなくちゃね」 「いいよ。めっちゃ飢えてるみたいで嫌だ」 「そっかー。残念」 全然そんな気がしない言い方。高峰はどうでもいいと思ってんだろ?
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