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柴田は話が終わるとさっさと帰った。
「柴田のせいで練習できなかったし。綾はもう学校の時間じゃねーの?」
「うわ、行ってきます」
ちゃんと高校に行ってるボーカルの綾。
「まったく綾は御苦労なこった。皆勤目指せよ~!で、早川学校は?」
「午後からです」
大学生の早川はいつも偉そうでむかつく。
「よし!お前ら〜片付けたらここ閉めるからなー」
憲緒さんはここのライブハウスで働いている。俺もだけど。ライブハウス運営してるのは憲緒さんの親父だし。
「さっさと片付けて朝飯いくぜー」
近くのファミレスに行き、朝食を食べることに。メンバーは俺と憲緒さん、早川も。
「ライブもうすぐなのにやばいっすよ!柴田なんか構わなくていいんじゃないっすか?」
「まぁトラくん落ち着きたまえ。尚兎はお客さんが見たがってるからしかたねーの。そんで、うちのバンドは大丈夫だぞ。ちゃーんと練習してるしな?」
「憲緒さん、こんなことしてますけど…本職の方は大丈夫なんですか?」
早川、お前失礼だぞ。
「ふふん!早川。それは大丈夫なんだぞ?ちゃんとやってるし!」
「さっすが憲緒さん。すげーっすね!」
「トラくん、もっと褒めてくれ!俺はすごい!」
けど、見た目ではよくわからない。
から、褒めにくい。
「そーいや、彼女とは最近どーなんすか?デートとかしてるんすか?」
「ふん、今は忙しいんだよ。学業というやつがさ?」
「あいつ勉強できなそうなのに、進学校なんですよね。普通にキモい」
早川はそうやって、憲緒さんの彼女すら見下す。最低野郎だ。
「キモいってなんだよ。芹亞はな、真面目でかわいいやつなんだぞ?早川も彼女作れば楽しいのになぁ」
「そう簡単にできませんけど」
「お前なぁ、一応ファンいるじゃねぇーかよ。その子とでも付き合えばよくね?適当に」
「トラさんみたいなのと付き合うような女子なんか嫌です」
「うっせー。そうやって高望みするからてめーには彼女できねーんじゃね?」
「そうやって誰とでも付き合ってるから、すぐ振られるんでしょ?」
「早川てめぇ!」
「おいおい、落ち着いて飯食ってくれ!おごるから!」
くそ。早川むかつく!
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