斎藤虎二郎

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俺は誰でもいいから、彼女が欲しかった。 一応バンドやってると、なんとなくモテた。から、ファンとは何人も付き合ったことがある。 だけど、すぐ振られる。 くそっ! 「トラはさー、なんか、あと少し足りないってゆーか?」 「は?なんだよそれ」 今の彼女に話があると言われたが…なんなんだよ! 「トラって、微妙なんだよね、なにもかも?中途半端ってゆーか」 「は?」 「それよりさ〜サトって、なんかかわいいよね。今度はあの子と付き合おっかなー?」 「はぁ?話全然わかんねーんだけど。お前何が言いたいわけ?」 「はぁ、バカなんじゃない?サトはトラと違ってウブそーだし~なんかよさそう」 「は?だから意味わかんね」 「わかんないの?あんたとはもうおしまいってこと。サトを紹介してよね?」 「はぁ?お前さ、俺んち住んでんじゃん?」 「だから、おしまいって言ってんじゃん。ここ出て行くから。わかんないの?あんた相当バカじゃないの?」 むかっ! 「てめー早く出てけ」 サトって誰だよ。 早川だろ?あいつなんかな、お前みたいなバカを見下すんだぞ?こーゆうバカな女とか嫌いだしってな。しかもあいつ女と付き合ったことねーんだぞ? あーあ、俺は早川以下かよ。 前にこんなことがあったな…。 学生の頃…柴田が告られてるとき、たまたま近くを通ってしまった。 「あー、あいつ彼女いないから付き合ってやれば?」 「え、だ、誰なの?」 俺を指差した。バカにしてる。自分のほうがいけてるってわかってる。 そういう奴って、すげーむかつく! 柴田も早川も、まじむかつく!
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