手をつなご

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公園のベンチに並んで座る。 綾くんはいつもよりぼーっとしてる。寝起きだから? 「綾くん、ライブって…」 あ、また寝てる。座ったまま。よっぽど疲れてるのかな。明美悪いことしちゃったなぁ。 このままの体制じゃ疲れちゃうから、明美の肩に顔をのせてっと!これでよく眠れるかな?…うーん、ちょっと重たい。 綾くんの髪の毛ってさらさらしてる。 耳にはピアスがたくさん。いとこの将希(まさき)くんはそういうのしてないけど、綾くんはピアス好きみたい。寝るときは痛くないのかな? アクセサリーは指輪とかもしてる。 うーん、さすがに重たいかな…やっぱり元に戻し… 「あ、あれ!?ごめん!」 綾くんが起きちゃった!しまった! 「あ、ううん」 綾くんはぱっと離れた。 「う、うわ、俺なにしてんだろ。重かったよね、ごめん」 「疲れてるみたいだから、お家に帰って寝ないとね」 「…ごめんね、なんか」 綾くん、私が肩にのせたんだけど…ごめんね。 「じゃあ、帰ろうか」 立ち上がる前にぱっと手を握られた。え、綾くん!? そしてそのまま歩く。 あの、綾くん?と見つめたものの、なんにも考えてないみたい。寝ぼけてるのかな? 「明日は塾だっけ?その後は?」 「…綾くん」 「ん?なに?」 私だけこんなに慌ててるのかな?綾くんにとってはこれは普通、なの? 「明美どうしたの?」 じゃあ、普通なら。 綾くんの腕にしがみついてみた。 「え!明美?え、な…!」 「綾くん、帰ろ?」 「へ、え?ど、どうしたの?いきなり」 「綾くんから手を繋いだから」 綾くんは目をぱちくりした。だって繋いだままだったもの。 「えー!わ、ごめん!」 綾くんは手を離そうとしたから、ぎゅと掴む。 「無意識に繋いだの?」 「…ええと、寝ぼけて、たのかな」 「明美はね、綾くんとくっつきたいな」 そう言ったら、綾くんはまた目をぱちくりさせた。 「え?」 「綾くんは?」 「え、な…」 「くっつくの嫌?」 「嫌じゃない…けど」 わーい!綾くんに触っちゃった! というか、綾くんは無防備だから今日はたくさん触っちゃった気がする。 明美ね、くっつくの好きなの!だけど、やりすぎはだめ。今日は帰ろう。 「それじゃあ、塾のあとまた図書館で会おうね!」 ちょっと驚いてた綾くんを置いてお家に帰る。 きゃー!うれしーよ!
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