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俺はなにしてんだよ。
公園でなんでかうっかり寝てたら明美に勝手に寄りかかってるし。
で、なんでか明美が腕に抱きついて…?
え、なんでどうなってるんだ?
俺が手を勝手に繋いだみたいだけど、覚えてない。
そして、明美はくっつきたいって?
てゆーか、手を繋ぎたかったのに、俺って気が利かないってことじゃん…。なんとなく、距離があって…もっと慣れてからかなーなんて思ってた。
それに明美の好きってlikeって感じだと思ってたから。…俺はloveなんだけど。
よし、もう寝る。
「よ!綾くん、お疲れだね!」
優くんご帰宅。
「…眠いんで」
「昨日がライブだったっけ?俺も今度行こーかな?」
「ダメです」
「えーけちー!あ、寝るな!」
明美、今日のことはやっぱり夢?俺の願望?
次の日、学校が終わって、図書館の前で待つ。そうしてると、すぐに明美がやってきた。
「綾くん!早いね」
「うん」
昨日のは夢だったのか?どう切り出そう?と考えていたら、明美が不意に手を繋いだ。
「宿題はいいから、公園行こう」
「え、うん」
特に何も話さず少し歩いていたら、明美は腕にくっついた。これは現実なのか?
「えっと、明美」
「ん?」
心なしかいつもよりも嬉しそうにしてる。
「そんなにくっついて暑くない?」
「大丈夫」
やはりご機嫌だ。
それからなんとなく公園を歩いてみた。明美がすごいくっついてるし座るのも悪いかな?
「明美?歩きにくくない?」
「大丈夫だよ…あ、でも綾くんが歩きにくいね。ごめんね」
「いや、そうでも…」
と言いかけたところで明美は離れた。でも手は繋いでる。明美が嫌な思いしたかな?
「綾くん」
ピタッと明美が立ち止まった。
どうしたんだろ?
「なに?」
すると、手が離れ、前からぎゅっと抱き締められた。
「え、どうしたの?」
「綾くん、大好き」
明美は小さいから表情が見えない。
「明美?どうかしたの?」
「綾くんにぎゅっーってしたかったの」
そうなの?わからないから、くっついてる明美を離す。顔を見ると驚いていて、さらに困ったような顔になった。明美って、意外と心配症?
ごめんね、ってよく言うし。
いつも明美は、恐れてるの?自分がやること、言うこと。
「綾くん、ごめんね。ちょっと、疲れてたかな…私、変だよね」
明美は自分の気持ちを伝えるのが苦手なのかもしれない。
「…綾くん、行こうか。あ、疲れたからお家に帰る?」
それから、人の顔色をよく伺っている気がする。
「明美、今なんで抱きついてきたの?」
「ごめんなさい。明美なんだかどうかしてて…」
急に暗くなってしまった。いつも、ちゃんとしてないとって思ってたのか?だから年上のような振る舞いになのかな。
「ねぇ、さっきなんて言った?」
「ごめんなさい。綾くんに変なことして迷惑かけてごめんなさい。…今日は、帰ります」
嫌われたと思ったのか明らかに焦ってる。
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