手をつなご

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「綾くんはチューしたことあるの?他の女の子に…」 「え、いやぁ、挨拶くらい?」 「明美、初めてしたのに!ひどい!」 コーヒーを置いて立ち去って行く店員さんに白い目で見られた。いやいや、何か誤解してる! 「明美、落ち着いて」 「綾くん、何回もしたよね?明美どうしていいかわかんなくて…」 「明美、ごめん驚かせたみたいで…」 「だって綾くん、手繋いだときは恥ずかしそうだったのに!」 「え、いや…手は、繋いだことってあんまりなくて…」 勝手に繋いでた俺。無意識怖い。 「じゃあ、なんでチューしても照れないの?なんで?」 「え?…なんでかなぁ?」 「無意識なの?だったら真矢ちゃんにもするの?」 「なんでだよ。しないし」 「あー!綾くん今笑った!なんで?明美変なこと言ってないもん!」 なんかいつもより焦る明美、かわいい。 「明美、なんでそんな焦ってるの?」 「綾くんのせい!綾くんは…どこでもチューしちゃうの?図書館でも?学校でも?ねぇ!」 「いやいや、しないよ。そんな恥ずかしいし…?」 「綾くんしたじゃん!みんな見てたもん!綾くんだけ見てなかったよ?」 「あ、そうなの?」 「…明美、ほんとは全然覚えてないもん」 「あ、そうなの?じゃ、」 立ち上がっていた明美に、俺も立ち上がってキスした。 「…!綾くん!」 さらに赤くなった。面白いなぁ~ 気を取り直して、椅子に座る。 「熱いうちにコーヒー飲もうよ。明美はミルクティーでよかったかな?」 「…綾くんばっかり!ぜーんぜん恥ずかしそうじゃないよ?なんで?」 「えー、明美座ったら?」 あんなに年上らしく振舞ってたのに、真矢と同い年感満載だ。すごい無理させてたのかな…。 「真矢ちゃんに言うから!綾くんと付き合ってまーす、前からって!」 「え!…言うの?」 なにを言い出すんだ。 「綾くんのパパにも言うよ!明美、付き合ってまーすって!」 「いやなんでそうなるんだよ…」 「綾くん、もっと焦ってよ!許さないんだから!」 なんか急に明美がまくし立ててきたんですけど… 「綾くんのせいで疲れたから帰るね。ミルクティーあげる」 「え、明美」 「今度、明美のお家に来ていいからね。お父さんも、ママのいないときだけだよ?」 え!?それって…誘ってる? いや、わかってないよ絶対。 明美は真矢レベルだよ、こりゃ。 残された俺、 店員さんに白々しい目で見られる始末。恥ずかしい!
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