1、あまたの星は輝いて

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1、あまたの星は輝いて

ガッシャンと音がする。 また、屋敷の、皿を割ってしまった。 この後、お母様からどのような仕打ちを受けるか分からない。 そう思い震える体を必死に抱きしめていれば メイド長が 「あら、また皿を割ったのね? なんて子なのでしょう、ほら、ここはいいからハイル村まで行きなさい」 そう怒鳴られてチサトは慌てて走り始めた。 ここは、王都ギルグラン、皇帝、グラン・ハルバードが収める魔法国家だ。 私事、チサト・アレリアンは元はこの屋敷のお嬢様だった。 大好きだった、父親の死で継母は一変する。 自分の愛娘ユカを跡取りにすると継母はチサトの権利を奪ったのだ。 それ以来、使用人として蔑まれてきた、チサトはハイル村まで走っていた。 そう、ハイル村は継母の収める土地なのだ。 そして、やっと、ハイル村まで来ると 「遅いじゃないか」 そう言われてチサトは笑みを浮かべた。 そう、ハイル村には、元王子で今現・皇帝のグラン・ハルバードが立っていた。 幼なじみの、グランに微笑むと 「また、お皿割ってしまって、グランは視察?」 そう問いかけたらとんでもないことを言い出した。 「視察じゃないな、ここに、たまに現れる、レアなうさぎを捕まえたくてね? 朝から待っていたという訳だ」 そう言われてチサトは戸惑った顔をした。 明らかに、今日のグランは怖かったのだ。 「皿、割ったのだろう? 俺の奴隷になると約束してくれたら、今いる屋敷から城に召し上げてやるが、どうしたい?」 そう問われてチサトが戸惑えば 「好きなだけ贅沢もさせてやろう、どうだ? 悪い話ではあるまい」 そう言われてチサトは俯くと 「遠慮しま!」 そこまで言いかけるとグランの手が素早く動き持たれた乗馬鞭で片手を軽く叩かれた。 「や、やぁ!」 痛みに手を抑えると 「何も聞こえなかった、それとも、皇帝の命に逆らって、地下牢で鎖に繋ぎ兵士達の慰め者にされたいのか?」 そう言われてチサトは短く悲鳴をあげる。 「いい子にしておいで、俺は前々から、お前のことが好きなんだから」 そう言われてチサトはグランに 「分からない、好きならなぜ、奴隷契約なの?」 その問いかけにグランは意味深に微笑むと 「なんでって、そんなの、俺が、Sだからに決まってんだろう? お前なら惜しみなく差し出すだろう? アレリアン家の厄介者だもんな、お前」 そう言われて俯いた。 自分の場所など、初めから存在していない。 そう思うと目の前のグランの元に行く決心を固めた。
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