いったい何の話だ!

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いったい何の話だ!

 研究室で3人、片腕を失った日比野と、親蜘蛛をつぶされた葉隠と、一部始終見ていたアカネエが、ふたりの片付けを見守っている。 「これ、いただきますね。」  と、俺の片腕から、助手のはずの葉隠は、自分のシャーレに、アメーバと蜘蛛の子を移し奪っていく。 「俺のアメーバは、集合体なんだぞ。希少種なんだ。アメーバとは仮に付けただけで、この小ささを再現する難しさときたら・・・。」 「はーい、わかってますう。この子たちのエサが見つからなかったとこで感謝しなくちゃですね。」 「そうか。やっとわかってくれたか。ナノ研究の恐ろしさを。」 「だから、やめればいいのにって、何度言いました? そもそも、何でも小さくすればいいって、きりがないし、もうやめようって言ったじゃないですか。」 「後発の人間に対抗できなくなってしまってからでは遅いのだよ。」 「間違えました。何故、アメーバなんです? ニューロンでも脳細胞でも代わりはあるでしょう!実用的なやつ。」 「それを危険思想というのだよ、葉隠くん。我々研究者はあくまで先を見込んで、実践しなければならない。誰もが証明手段を失っているんだ。わかるね。」 「そりゃ、危険な要素はいっぱいありますから。だから、適度に・・・。」 「わたしもだ。アメーバだったのは、君のエサづくり。この蜘蛛くんのエサづくりだったのだよ!恐れ入ったか!!」 「はいはい。」 「後輩を育てるのも、先輩の役目だからな。」 「はーい。」 「で、私の研究は続けるのだが、次の君の課題は?」 「ナノ食い蜘蛛をエサにする大きさの蟷螂の研究です。」 「ぎゃふん!」
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