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翌週……今週もまた、ゼミの日が訪れた。
昼食の際、僕は冷やし中華を頼んだ。
もうすっかり夏だ。
まだ時折紫陽花を見かけるけれど、日中は暑くて仕方がない。
そんな事を考えながら、僕は普段よりも少し早く、ゼミの教室に入った。
少人数用の教室で、飴色の長テーブルが三角形を描くように並んでいる。
普段、ここには七つの椅子がある。
僕達ゼミのメンバーの椅子と、夏瑪先生の椅子だ。
まだ誰もいない教室で――僕は、小さく首を傾げた。僕はいつも窓側の長机の前、夏瑪先生の隣に座っているのだが……椅子が一つ追加されている。
なお、僕の正面の席はいつも通りで三脚、男子三名の席があり、三角形の底辺部分にあたる隣の席には、女子二名の椅子がある。
「?」
普段は、窓側のホワイトボードに近い椅子が夏瑪先生の席で、ほぼ中央が僕の椅子だ。しかし今日は、僕の隣、女子達のテーブル側に、もう一つの椅子があるのである。
とりあえず、自分の定位置に座りながら、誰か来るのだろうかと、僕は一人考えた。
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