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誘拐犯
ジュディ芸能プロの咲佐マネージャーは各方面の関係先に連絡していた。
事務所の国民的アイドル（サララ）が行方不明になってしまったからだ。
警察にも連絡して誘拐事件として報道規制のもと捜査が始まっていた。
サララはIT企業財閥の一人娘で知名度の高いアイドルでもあるために事務所も警察もピリピリしていた。特に警察は上の方からのプレッシャーが凄かった。万が一の事になれば所轄署長の首が飛ぶだけでは済まなかった。
しかしもう6時間経っても犯人からのコンタクトは全くなかった。
警察は熱狂的ファンの場合かなり状況は切迫していると見ていた。
犯人は対象者の全てを自分のモノにしたいという強い願望と欲求のもと、
命を奪い身体を自由にしてそして自らも命を絶つ....
そう言う身勝手で極端な行動を取り得るという事だったからだ。
事務所のスタッフ全員が絶望的な気持ちで沈みきっていた。
しかし警察への一本の電話で状況が180度変わった。
詳細は不明だったがサララが見つかったと言う事だった
事務所内は歓喜に包まれたが、警察は全く楽観視していなかった。
最悪な状況を様々な角度から想定しなければならないからだ。
すぐに現場上空にヘリを飛ばし超高感度カメラで現況把握を行った。
犯人の顔、車のナンバー、被害者の状態など次々と情報が捜査本部へ送られて身元はすぐに判明した。
幸谷 仁28歳
前科無し
車は本人名義
被害者は助手席で寝袋の中？生死は不明。
今迄の所、動く気配はなし。
その後、犯人はサララの熱狂的ファンである事が分かり
最悪のシナリオ対応で望む事となった。
ヘリには車内の状況と被害者安否確認だけを優先させた。
犯人は寝袋を触ったり擦ったり変態行為をしているようなので、
間違いなく寝袋の中にはサララがいるものと断定された。
また駐車場から本線に出て見回したりタバコを立て続けに吸ったりと不審行動が目立つ事も報告された。
駐車場を見渡せる山にはスナイパーが準備を整え、
SATが対応に当たることになった。
何の罪もない...
いや表彰されてもおかしくない可哀想な幸谷 仁の命は風前の灯だった。
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